千葉急行電鉄は実在した鉄道でしたが経営がアレして、1998年に京成電鉄・千原線になりました。通常「同じ鉄道会社の路線同士の場合、運賃は通し計算されて安くなる」のですが、千原線はそうはならず、他の鉄道会社を乗りつぐ場合と同じ合算方式を採用しているので、運賃は露骨に高いままです。昔の小田急多摩線や、京王
多摩線 相模原線みたいな「割り増し加算運賃」方式でもありません。京成千原線では、京成の他路線と乗り継ぐ場合「乗り継ぎ割引」が適用されますが、これは「東京メトロと都営地下鉄といったふうに、他の会社同士と乗り継ぐ場合に適用されるケースが多い」システムですので、同じ会社の路線で「乗り継ぎ割引をする」というのも何か微妙な気がします。
漫画内では「千葉急行線が経営破綻しておらず、京成との乗り継ぎ割り引きも存在しなかった場合」の運賃を描いています。昔の市販の時刻表には、千葉急行線と京成線との乗り継ぎ割り引きの言及が有りません。京成千葉線のスペースに、上野から、ちはら台までの運賃が書き込めるスペースが開いているのに空欄になっています。1998年当時の千葉急行+京成線の運賃を合算すると、上野~ちはら台は930円となります。ちはら台駅の手前で、千葉市の隣りの市原市にギリギリ入りますので、ちはら台はギリギリ「千葉市外」の位置です。
総北線・・・じゃなくて北総線とか、東葉高速線とか、千葉県は電車賃が高い路線が多い気がします。
中でも旧・千葉急行線は単線・・・しかも、複線用の土地は確保してあり、駅のホームまで複線用になっているのに線路は単線のままという、シュールな光景を目撃する事ができます。
運賃の安い東京メトロ東西線に快速として直通する東葉高速鉄道線や、成田空港アクセス路線としてスカイライナーが時速160キロで駆け抜ける北総線とは違い、京成電鉄・千原線のローカルムードは中々のものだと思います。
電車乗り過ごしネタでは、何かのラジオ番組で、折りしも『この世界の片隅に』の舞台である広島出身の方が、「友人が電車の乗り過ごしの達人」というネタを投稿していました。曰く、広島で降りようとしたら岩国まで乗り過ごし、戻ろうと反対方向へ乗ったら岡山まで乗り過ごしたとか。当時その方が学生だったからよかったようなものの、社会人なら大変だったと思います。というか、まんま『この世界の片隅に』の「ボーッとしている達人」のすずさんが現代に蘇ったかのようなネタです。
なお、面白そうなので古本屋で百円くらいで買った『種村直樹の汽車旅相談室』(その時点で、ウン十年前の本なのでガイドブック、ハウツー本としての価値は無い)には「改札を出なければ運賃を請求されないと思い、ヒマつぶしに中央本線で東京から長野県まで往復したら、駅員から不正乗車と見做され運賃の3倍を請求された」という話がありますので、ご注意下さい。乗り過ごした分を請求されないのは「寝落ち等でうっかり乗り過ごしたり、間違って別の方向の電車に乗った場合であり、『故意で誤った場合』は不正乗車」扱いだそうです。故意で誤った場合・・・?