2017年初頭、神奈川県・小田原市の生活保護担当の職員が「生活保護舐めんな」という趣旨のジャンパーを勤務中に着用していた事が発覚し問題となりました。この「生活保護舐めんな」ジャンパーを着用して受給者宅へ行く事もあったとか・・・。ジャンパーには「悪」の1文字が囲みで印刷されていたと知り、『ドラゴンボール』の武道着を思い出してしまいました、鳥山明先生すみません・・・。
小田原市の例とは限りませんが、『生活保護――知られざる恐怖の現場』によれば
「働かん者は死んだらいいんだ」「風俗ででも働け」「裏の公園に行けばいい木があるよ。ヒモなら貸してやるぞ」(公園の木で首吊り自殺しろ)とまで言う自治体職員も居るようです。これらは決して自治体職員が2ちゃんねるに書き込んだ落書きではなく、実際に生活保護を求める人に対して吐かれた言葉のようです。「生活保護の不正が許せない」と言うより「生活保護そのものが許せない」と言うのが財政難の自治体および職員の本音なのでしょう。逆に「財源が豊富」で(但し借金の場合もある。昔の革新自治体?)、「生活保護を受けさせるノルマ」があれば逆の台詞になるでしょうが、現在は財政難につき「生活保護を受けさないノルマ」が課されているとの噂もあります。
引きこもりの親の高齢化による家計の悪化、親の死亡による収入途絶など、生活保護は引きこもりの高齢化問題を考える上で避けて通れないワードになっているでしょうし、その道の権威の精神科医・斎藤環氏も生活保護の行く末を心配されているネット上の記事があります。
「生活保護の不正受給は駄目」なのは当然ですが、それなら「万引きは犯罪です」という掲示をしている店舗などのように「分かりやすく」「対象者を傷つけない」表現にすればよいものを、「悪」だけ大きな字で書いたり、「SHAT」の「アルファベット4文字を格好良く表示したい」という恥ずかしい意図がミエミエだったり、「あえて言おう、クズであると」は英語で小さく表記したりとか・・・いっそのこと、小田原市役所の業務用パソコンから2ちゃんねるに書き込めるようにしたほうが、たまに居るであろう「接するとストレスの溜まる難有りの受給者」に鬱屈した思いを募らせる市職員のガス抜きになったのではないか、という気もします。
それにしても、「万引きは犯罪です」と書かれたジャンパーを店員に着用させている小売業は無いと思いますので(特にレジ担当者に)、小田原市役所は陰湿だなと思います。市役所の職員は生活保護の受給者の生殺与奪(保護を停止する権利)を握っているので、立場が一方的に強い側が、こういったジャンパーを着るのは気味が悪いです。