北朝鮮の将軍様こと金正恩(キム・
ジョンウン)氏が「自身の能力不足を認めた大変謙虚な内容の、異例の新年の辞」(2017年)が話題になりマスコミでも報道されました。この新年の辞を読んだとき「世間が思い浮かべる、バイアスのかかりまくった言い訳だらけの引きこもり当事者の反省文」に似ているなと思いました。
そのネタで引きこもりを中傷したいのかと言うと、全く違います。
私が上記の4コマ漫画で言いたいのは
「子供に反省文や宣誓書を書かせる行為に、ひきこもり脱出の効果は期待できるのか?」という点です。
法律上の問題でもめたときの事前対策として、相手に一筆書いてもらうという方法がマスコミ等で紹介され、その有効性が強調されるテレビ番組を散見します。しかし、法律で引きこもりをやめさせる事はできませんし(犯罪に問えない)、法律で引きこもりをやめさせられる事が可能な社会は現在よりも人権が制限される、少なくとも平和な社会ではなくなっていることでしょう。
それにも関わらず、テレビの引きこもり特集(特に引きこもり本人を中傷するニュアンスのテレビ番組)に出てくる引きこもりの親は、かなり高い確率で、子供に「あと何年以内に自立します」等の反省文や宣誓書を書かせています。つまり、引きこもりの親は「効果の全く無い対策」でお茶を濁して、自己満足に浸っているように思うのです。
例えば、勤め人を辞めてしまった子供が「自営業にはしる」場合、親から多額の借金をしたとき、正式な書式に基づいて金銭の借用書を作成しているのであれば、司法の場に訴えることも可能ですが、引きこもりを中傷するテレビ番組に出てくるような引きこもりの親は、司法の場に訴えている形跡は見られません。
そのような引きこもりの家族が、引きこもりを中傷するニュアンスのテレビ番組にうっかり出演してしまうと、「親と子が交わした、守られない誓約書や反省文」という映像は、引きこもりの大幅なイメージ悪化を招く、非常に良く燃え盛る炎上の燃料と化してしまいます。取材を受けてマスコミに晒された家族自体も、そして全国百万人の引きこもりファン・・・じゃなくて引きこもり当事者やその家族も、悲惨な思いをする事になります。
そもそも、引きこもりという選択をしている子供には、対人恐怖症などの精神症状があれば、社会に出てお金を稼ぐ事も困難となりますので、反省文や宣誓書は、親の自己満足・現実逃避の道具でしかなくなります。そんな自己満足の書類を作っているヒマがあったら、子供の精神症状を改善する手立てを講じる必要があります。精神科がでんでん、いや精神科に通院するのが云々などと世間の目を気にしているヒマは無いと思います。もちろん、精神科は風邪等で掛かる病院に比べたら、病院や医師が本人に合うかどうかという相性の問題が生じやすいですし、必ずしも「精神科で治る」と断言できるものではありませんが・・・。
【追記】
2017年2月13日。北朝鮮の最高指導者である金正恩(キム・
ジョンウン)の(正恩よりも人柄は良さそうなオタク風の)腹違いの兄貴こと「金正男」(キム・ジョンナム)氏が国外の空港で暗殺された。ついにやりやがった。
「金正恩の2017年・新年の辞は大粛清の予告」説が事実になってしまった・・・